建設業許可の業務支援で気付いた役立ち情報

ややこしいこと抜き!現場で忙しい建設業者さんのため「ここだけは押さえて欲しい!」ことに絞っています。
 法律的に正確な表現でないところもあるかと思われますが、ご容赦ください。

機械器具設置工事業の落とし穴

2019年12月12日  

いきなりですが

「機械器具設置工事に該当する工事と認められるのは、想像以上に難しいから注意してくださいね!」

と言うお話です。

 

先日、建設業許可を全部廃業したお客様が、再度許可が必要となったとのことで、弊所でお手伝いをすることになりました。

申請する業種のひとつに「機械器具設置工事業」がありました。

会社の状況は許可を持っていた時と変わっていなかったため、最後の更新申請とその後の変更届を確認し、申請書類を作りました。

機械器具設置工事の専任技術者(技術的な責任者)は資格ではなく、10年の実務経験にて要件を満たしている方でした。

そして、その経験は申請会社ではない他の会社での経験です。

更新ではなく新規の申請のため、実務経験を証明する書類には他社の実印をいただき、申請書類としました。

 

上記のように申請書類を作り、都庁に申請に行きました。

申請は受付されたのですが、気になる事があったので、窓口審査の担当者さんに聞いて見ました。

 

「申請会社は機械器具設置工事の許可を持っており、10年以上許可を維持しているから、自社の実務経験を裏付けに使う事も出来ましたよね!」と。

 

担当者さんの回答

「機械器具設置工事の場合、ただ許可を持っていただけでは認められないね。『本当に機械器具設置工事に該当する工事』をやっていたか確認させてもらいますよ。」

 

・・・と、言うことは「(10年分の)工事関係書類を持って来なさい。それで確認するから。」ってことですよね(汗。

 

以前は「許可を持っている業種については、それだけで工事経歴の裏付けとして使うことが認められる。」といった運用がなされていました。

 

しかし、現在は、許可を持っているだけではなく「実際に工事を行っていたか」確認されるようになり、例えば毎年の決算報告で「工事実績なし」や「工事を行っていない期間がある」場合、その期間は「工事を行っていない」とされ、工事経歴の裏付けとして認められないようになっています。

 

それに加え、機械器具設置工事の場合は、決算報告に(毎年きっちり1年間)工事を行っていたことが記入されていたとしても、それだけでは裏付けとはならず、過去に遡って「機械器具設置工事に該当していることが分かる書類」が必要となるようです。

 

参考:機械器具設置工事の業種判断について

 

これでも分かるように、機械器具設置工事に該当する工事は非常に限定的なものとなっており、その限定的な工事を請け負っている場合のみ、実務経験として認めるということになるのでしょう。

 

前記担当者さん

「機械を設置したからって、なんでもかんでも『機械器具設置工事』にはならないんだよねー。」

この点、覚えておいて損はないと思います。

 

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